8月27日(木)グリンデルワルト〜ルツェルン
[晴れのち曇り、夕方雨]

ホテルからフィルストへ
今朝はヴェッターホルン側にやや雲がかかっているもののアイガーの山頂の雪は朝日に反射して輝いており、西の方も晴れている。昨夜ホテルの食堂から借りたスプーンを返し、昨日と同じビュフェ形式の朝食。茅ヶ崎出身で高校を出てすぐスイスのホテル学校に来て、このベルヴェデーレで修行中の黒崎さんと話す。近くのインターネット・カフェで日本の友人とメール交換しているが、漢字は使えないのでローマ字でやり取りしているのだと言う。

ホテル ラ・ベルヴェデーレで
修行中の黒崎さん
(「スイスで出会った人」にもある)

8時にホテルに出勤してきたスイスデスクの木村さんとお別れの挨拶。
国道沿いの近くのパン屋で、お土産用にクッキーを仕入れる。チョコレートではなく、スイスのクッキーを探していたが、なかなか無く、パン屋でやっと見つけたもの。1パックが3SFくらいと安い。

ホテルに戻って、8:40にポーターにスーツケースを運んでもらいグリンデルワルトの駅へ。成田までのフライバゲッジを申込み、航空券を1枚だけ出したら、2人ならもう1枚もと言われて出す。2人の航空券のぺらぺらの紙の裏に丸い緑のFLYマークが張られる、またクレームカードも張る。25kgで20SF。これで成田までスーツケースとお別れ。
リュックがやや重く、駅のコインロッカーに預けようかと思うが、「2SFを1枚入れろ」と書いてあり、2SFのコインが無く、預けずにそのまま持っていくことにする。

フィルストの展望台へ
駅前から東へ商店街を国道沿いに10分ちょっと歩き、フィルストのゴンドラ乗り場へ。またスイスフレキシーパスを提示して割引切符を買う。6人乗りのゴンドラが次々に来て、9:10フィルストへ向かう。メンリッヒェンの時と同じように、茶色の牛が放牧されていてカランコロンとカウベルが鳴る。ホルスタインはほとんど見かけなかった。牧草のロール巻作業をしている農民の姿も見える。ゴンドラは途中2個所で左にカーブして上へ。9:30フィルスト着。

フィルストの展望レストランと
シュレックホルン
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フィルストの谷を通して
見下ろすグリンデルワルトの街
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山の上に展望レストラン(2167m)があり、観光パンフによく出てくるシーン。右下の大きな谷の先にグリンデルワルトの町が見下ろせる。フィルスト展望台からは、グリンデルワルトの町からは見えない東の山々が見える。
青空が広がっているのに、残念ながら南西のアイガー・メンヒ・ユングフラウの頂上付近だけは雲がかかったまま。

フィッシャーホルン(4048m)、ヴェッターホルン(3701m)は逆光で見にくい。シュレックホルン(4078m)が真ん前に見える。時々雲に隠れてしまい、昨日のうちに来ておけば良かったかなとちょっと悔やむ。でもこれだけ天候に恵まれてツェルマット・マッターホルンもグリンデルワルト・ユングフラウも最高の条件で楽しめたのだから、最後にちょっと雲がかかった位はしょうがないと思う。

ここからバッハアルプゼーへのハイキングコースもあるが、とても時間的に無理。
10時に帰りのゴンドラに乗る。降りてきて、あと400mくらいで終点というところで突然ゴンドラが停止。えーっ、これはマズイ、このまま何時間も閉じ込められたらどうしよう?!と青くなるが、1分足らずでまた動き出し胸をなで下ろす。10時半にゴンドラを降り、少し急いで駅へ。

グリンデルワルトからインターラーケン・ブリエンツ湖へ
10:40にグリンデルワルト駅に着く。もう列車はホームに入っていて、すぐに乗り、座っていた日本人の若い娘に「インターラーケンに行きますよね」と念のため確認。スイスフレキシーパス3日目の使用。
10:50グリンデルワルト発、インターラーケンへ11:26着。

当初、インターラーケンオスト駅北側のハルダー展望台にケーブルカーで登って、ベルナーオーバーラントの山々を眺めようかとも考えたが、この2日間で十分堪能したので、寄らないことにし、インターラーケンオストから船でブリエンツ湖を渡りブリエンツへ向かう。
インターラーケンオスト駅のホームから地下道をくぐり(そう言えば、スイスでは駅の構内はすべて地下道で連絡してあり、日本のような高架の連絡橋は見なかった)、北側に出て道路を渡ってすぐ前が船着場、200mもない。スイスフレキシーパスで乗れるので船の切符は買わずにOK。

ブリエンツ湖の連絡船
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ブリエンツ・ロートホルン鉄道のSL
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ブリエンツ駅に入ってきた
SBBの列車


ブリエンツ湖の船
11:40船は運河から湖へ出て行く。眺めの良い2Fへ行きたいとWifeが言い、移動するが、「1KLASSE」と書いてあり、気になって、そこにいるスイス人らしい女性に「Is this first class?」と聞いたら「Yes」
と答え、やはり1等。下の甲板へ戻る。しばらく湖の眺めを楽しむ、エメラルド色の湖水、湖畔の緑の樹木の間に点在する家々が美しい。12時過ぎて、船内のレストランへ、スパゲッティの昼食。

12:43ブリエンツへ、SBBの駅は船着場のすぐ前。列車は40分待ち。ブリエンツ・ロートホルンBahnの小型SLの駅が国道のすぐ北側にあり、ちょうど出発するところだった。緑のSLがシュシュポポ、シュシュポポと音を立てながら、赤いトロッコのような客車を、押し上げて登って行く。乗ってみたかったが、時刻表を見たら1時間に1本しかなかった。今ではスイス唯一の蒸気機関車らしい。
ブリエンツ駅で列車を待つ。近くの踏切が閉まったのですぐ列車が来るのかと思ったが、なかなか来ず、1分半くらいたってやっと現れる。閉まってすぐ来る日本とは大違い。

ブリエンツからルツェルンへ
入ってきた赤いSBBに乗りこむ、席はガラガラ。13:24ブリエンツを出たSBBの列車は山あいの帯状の農地・牧草地の間を北東へ向かって走る。割と広い農地。天気は曇りから雨になる。マイリンゲンで進行方向が反対になり、ブリエンツ湖を左下に見ながら山を登って行く。ルンゲルンのそばの湖とやや大きなザルネ湖を左に見て、さらにアルプナッハ湖とそれに続くフィーアバルトシュテッテル湖を右に見て、15:05ルツェルンへ到着。

スイスフレキシーパスは3回使ったのでもう明日は使えず、明日のチューリヒまでの切符は自分たちで買わなければならない。ルツェルンの駅で切符の自動販売機を研究するがよく分からず、地下の切符売場の窓口を確認。
駅を出て、雨の中を歩いてホテルに向かう。途中カペル橋を渡り、向いの旧市街へ。カペル橋は雨なのに観光客がいっぱい。相変わらず日本人も多い。宗教画が飾ってある。渡っていても普通の木の橋で特にどうということはなく、遠くから見た方が様になっていて良い。

ルツェルンのホテル
デス・バランス
ホテルから見たルツェルンの川と街
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ルツェルンのホテル
ホテルは川沿いのデス・バランス。(デス・バランスの Web siteはこちらへ)。これも4つ星。東側の玄関の上の壁画が見事だ。建物はいかにも由緒ある感じ。古いがバスルームが非常に広く、高級感溢れる。やや狭いベランダのすぐ下は川で、真向いにイエズス教会がある。左手にカペル橋が、右手の上流にお城のホテルが見える。夜景もなかなか良い。(デス・バランスのフロントの写真は「スイスで出会った人」に)

ルツェルンの街散策
お土産を買いながら夕食をとるために街へ出る。旧市街の店を覗いて歩き、土産にYシャツをと探すがサイズの表示が日本と違っていて合うのかどうか分からず、結局止める。ゼー橋を渡って駅の北側の新市街にも行くが、こちらはビジネス街といった感じで、旧市街の方が石畳で人通りも多くいかにも賑やかな古い街という感じ。

また旧市街に戻り、買物。ヨーデルやカウベルの音の入ったCDを買う、10SF。夕食は今度こそチーズフォンデュと思ったが、ボリュームがありそうで、結局ホテルの近くのイタリア料理店へ。Wifeはミネストローネとスパゲッティを、私はミネストローネとピザを注文、ピザは直径30センチ以上あり、ボリュームはたっぷりだったが、何故か物凄くしょっぱくて、全部食べきれなかった。

8月28日(金)
ルツェルンからチューリヒ空港へ
そして成田へ

[ルツェルンは晴れ、成田は雨]

7時にホテル1F(スイスの0F)のレストランバーで朝食。川が見える席に着く。ここもビュッフェ形式、緑茶がある。隣席にアメリカ人らしい親子連れがいて、奥さんが食卓にノート型PCを置いて何やら一生懸命打ち込み中。インターネットできるか聞いたら、出来ると言うのでURLを書いたカードを見せ、写真撮って載せて上げると言ったら「ノーサンキュー」と言われる。

ルツェルン発
8時前チェックアウト、朝日を浴びたカペル橋を撮りながら駅へ。昨日確認したように地下の窓口でチューリッヒ空港までの切符を買う。自動販売機は結局使わず。
8:35ルツェルン発、チューリヒへ。途中の景色は工場あり農地ありといった都市近郊型農村でアルプスの急傾斜地農業とは違う。家も日本で言えばマンション風の集合住宅が多くなる。途中からチューリヒ湖畔に戻り、初日にクールへ向かった線路を反対に北西に向かって走る。

9:30チューリヒ着、チューリヒ止まりの終着列車で地上の櫛型ホームへ着き、長いホームを歩き駅前へ。
チューリヒ駅の正面は彫刻の施された由緒ありそうな建物。まだ時間があるのでバーンホフ通りを少し歩く。並木の間をトラムが走る。Wifeは土産のスイス時計を見て歩き、私は写真集を探す、週間カレンダーつきのを29SFで買う。

カペル橋(ルッツエルン)
お城の下の肌色のホテルが
デス・バランス
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チューリヒバーンホフ通り
正面が駅
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シベリア上空の朝焼け


駅に戻り、10:07の始発列車でチューリヒ空港へ。急行だったのでノンストップ、ちょうど10分で空港着。

チューリヒ空港で
まず飛行機のチェックイン。スーツケースはグリンデルワルトからフライバッゲジで送付済みなので、手荷物ONLYの右端のカウンターへ。窓際の席を頼むがABになる、HIに指定すればよかったと後悔。「No SMOKING禁煙席を」と後から言うと「ALL禁煙席」だと言う。

空港内は買い物する場所が余り多くなく、税関の出国ゲートを抜けて免税店で探すが、ゲートの先も免税店の数は多くない。私はPC雑誌を買う、ドイツ語のCD-ROMが付いていた。Wifeはお土産にSwatchの腕時計を買う。

11:40にA72の搭乗口へ。停まっているスイス航空機の尾翼に赤地に白抜きで「瑞」と漢字で書いてある。何だろうと考えたら、瑞国=スイスなのだった。ソファで待機。

映画「タイタニック」
12:20搭乗開始。SR188便は12:50定刻通り出発。帰りの機内は余り冷えず。追加毛布が無しでも寒くなかった。
ポーランド・ワルシャワ上空からロシアの上空へ。落日がきれいだ。機内では映画「タイタニック」を上映。長いが、面白くて眠らずに見入る。時々気流で飛行機が大きく揺れ、映画の船の沈没シーンと重なって、妙にリアリティがあり、スリリング。

暗闇の中を飛んで行く。シベリアのずっと奥の方にオーロラらしい光の帯の揺れがかすかに見えた。左手に北極星も確認できた。食事も3回?出る。シベリア上空からの朝焼けが素晴らしい。やはりABの席で良かったと思う。
日本の上空は曇り。福島・栃木・茨城の上空を通り、雲の切れ間から水田など見えるが、集中豪雨で大変な水害にあっているとは全く想像できなかった。

8月29日(土)成田着、横浜へ
朝7:40成田着、タラップを降りたら、むっとする暑さ。台風5号接近のせいもあるが、スイスのさわやかな空気と比べて余りにも違いすぎる。バスで空港ビルへ。入管の入国手続きは、カードを切り取るだけ。手荷物受取所では既に荷物がターンテーブルを回り始めている。10分ぐらい待って私たちのスーツケースが出てくる。税関に並ぶと、「これだけですか?別便は?」と聞かれる。何もなくOK。

出口の目の前がリムジンバスのチケット売り場。
8:20の横浜YCAT行きで帰路へ。
10時過ぎに無事帰宅。

家の中はムワーッとした湿気、ホテルが広かったせいか、我が家が異常に狭く感じて、こんなに狭かったかな?と思う。また絨毯が湿気を帯びていて、気持ち悪い。乾燥したスイスの空気との違いに愕然とする。
時差ぼけと寝不足と疲労で頭はボーッとしている。


終わりに
 全くの無事という訳にはいかなかったが、Wifeの病気もその後余り問題無く、元気に旅程をこなし、帰国できたのは何よりだった。
 スイスの8月は降雨量が多そうだったが、不安定な山の天気にもかかわらず、肝心の山歩きではほとんど快晴の天候に恵まれ、満足の行くスイス旅行だった。

 拙い英語でも何とか通じて用は足りたが、こちらが適当に単語を並べてしゃべると、相手から時折「I can't understand.」と言われてしまって、やはりもう少し英会話能力をつけておくべきだったと反省させられた。


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