【箱根駅伝欲張り観戦ガイド】

箱根駅伝は、おせち料理やみかんを食べながらコタツでテレビ観戦も良いが、何といっても、沿道に出て、生で選手を見て、大きな声で檄を飛ばして応援するのが一番。秒速5.5mのスピードで一瞬のうちに目の前を通り過ぎてしまって、あっけないと思うかもしれないが、懸命に走る選手達の息づかいや紅潮した肌など若々しさを実感出来て、テレビ観戦とは違った臨場感や感動を味わえる。

《追っかけモデル》
追っかけモデルを、2つのパターンに分けてみた。
@出来れば「全区間走破」にチャレンジしてみたい全区間チャレンジ編。
A中継所のタスキ渡しの感動の瞬間を目に焼き付けておきたい中継所タスキ渡し編。

【全区間チャレンジ編】
どうせ、箱根駅伝の追っかけをやるなら、欲張って出来るだけ沢山の区間を観戦し、出来るだけ多くの選手を応援したい。でも10区間全部を観戦しつくすのは至難の業だ。
また200人の全選手を応援したいところだが、これも実際は不可能だ。特に復路はトップ通過から最後尾までかなり差が開くので、応援する大学・選手を絞らないといけないだろう。

【1区】
追っかけは、まず大手町のスタートから。早起きして、7時までには読売新聞社前に駆けつけたい。各大学応援団のチアリーダーの歓声や太鼓の音が響きわたり、TVでは味わえない独特の雰囲気だ。気温2℃前後とピリッとした寒気が武者震いを誘い、一層緊張感と期待感を高める。7時に壁に貼られたオーダー変更を確認。大学スポーツ紙を配っているのでゲット。公式プログラムも買っておきたい。
8時、1区の選手20人が一斉に飛出して行くのを見送ったら、東京駅にダッシュ。8:13の東海道線か8:14の京浜東北線に乗る。出来れば品川駅で降りて、品川駅前の8:22頃の選手通過を見たいところだ。ここ数年のようなスローペースだと何とかぎりぎり間に合うが、徳本が飛出した76回のような速いペースだとちょっと無理かも。品川から京急8:24の快速特急三崎駅口行に乗って蒲田まで行って、バラけはじめた1区の選手を見ることも出来る。蒲田からは、急いで京急に乗って、京急新子安か横浜へ向かわないといけない。余裕を持ちたいなら、蒲田観戦を入れず、JRで東京からそのまま新子安か横浜へ直行した方が良い。

【2区】
2区のお勧めポイントは、JR新子安か横浜駅東口。どちらも駅のそばをコースの国道15号線が通っている。京急沿線では鶴見から仲木戸までなら、どの駅もコースに近く観戦しやすい。横浜駅以西ではJR横須賀線保土ヶ谷駅前が、混雑が少なく穴場だ。選手達は保土ヶ谷を過ぎて権太坂に向かうが、保土ヶ谷から先のコースは鉄路から離れてしまうので、追っかけが出来るのは保土ヶ谷まで。保土ヶ谷駅は、横須賀線なので、次の3区へ向かうには、戸塚で東海道線に乗換える。

【3区】
戸塚から平塚までの3区は、鉄路から最も遠い区間。唯一近いのが藤沢駅。それでも駅から10分前後歩く。ポイントは藤沢橋・仲通・北口入口の3つの交差点。南仲通が藤沢駅から600m、徒歩10分弱で一番近い。藤沢橋は遊行寺の長い坂から降りた地点で見通しが利くが、駅から800m徒歩10分余とやや遠い。藤沢駅北口入口は駅から700mくらい。選手を見送ったら小走りで藤沢駅に戻らないといけない。東海道線10:44発の熱海行に乗るのがベスト。次の10:58では後が厳しくなる。

【4区】
平塚から小田原まで、またJR東海道線に沿っており応援しやすい区間。大磯・二宮・国府津の3つの駅前どれでも観戦しやすい。
国道1号線まで、大磯は駅から3〜4分かかるが、二宮・国府津は降りてすぐ。二宮・国府津で観戦した場合、5区の観戦が難しくなるので、全区間チャレンジのためには、大磯がお勧め。追っかけの鉄則は、早めに見ておくこと、早めに移動すれば次の区間に余裕が出る。次の区間にぎりぎりに着くと、良い観戦場所を確保できなくなる可能性もある。
大磯で観戦したら、11:25の熱海行か11:34の伊東行に乗りたい。小田原着が11:49か11:52で、箱根登山鉄道の発が12:02になり、5区の観戦がぎりぎり間に合うかどうかだ。5区観戦を諦めれば、二宮・国府津で20大学全選手をじっくり応援できる。小田原市内では市民会館前まで駅から600mほどだが、全区間チャレンジするなら向かない。

【5区】
5区の登りは、湯本・大平台・宮ノ下・小涌谷が観戦ポイント。山登りの箱根登山鉄道は小田原発湯本行が、11:33、11:47、12:03と15分間隔で、本数が少なく、JR小田原からスムーズに乗換え出来るかどうかが鍵となる。確実に山登りを観戦したいのなら4区をパスするのも一法。5区は、箱根登山鉄道の湯本で降りて観戦するか、強羅行に乗換えて、大平台・宮ノ下・小涌谷まで行って、登りで苦しくなってきた選手達を応援するか、どちらかの選択。湯本乗換えには数分待つ。車両が3〜2両と少なく、駅伝当日は通勤ラッシュ並の大混雑になる。4区観戦をパスすれば、11:47小田原発で余裕をもって確実に観戦できるが、12:03発でも何とか間に合う。全区間チャレンジコースでは、芦ノ湖の往路ゴールまで行くのは勿論無理。
なお小田原駅では昨年3月高架の自由通路が完成、箱根への乗換えがわかり易くなった。

【復路】
復路で全区間を追っかけるのは往路より一層難しい。6区の箱根登山鉄道と7区を見るためのJR東海道線との連絡がうまく行かないとの、往路と違ってトップと最後尾のタイム差が開きすぎるからだ。ただ20校になった前回79回でもチーム力が拮抗してきたため、タイム差は予想したほどは開かなかった。
【6区】
復路を全区間チャレンジするなら、箱根芦ノ湖スタート観戦は無理。箱根登山鉄道の大平台か箱根湯本駅から始めるのが良い。小涌谷・宮ノ下では、登山鉄道の時刻とトップ選手通過がほぼ同じで難しい。大平台・湯本ならトップ通過後の電車に乗れる。大平台8:36頃(湯本8:46)のトップ通過を見て、すぐ大平台8:42(湯本8:54)発に乗れば、小田原着9:09、JR東海道が9:17発、国府津で乗換え、二宮着9:32で9:40頃通過するトップの選手を見れるはず。次の大平台発9:08だと小田原9:40着で、JR 9:46発では国府津・二宮はおろか大磯でも追いつかない計算になる。トップから遅れた大学を応援するなら、後の電車に絞った方が良い。
6区応援のためには、早朝東京・横浜から行くのは大変なので、出来れば小田原か箱根に一泊したい。
【7区】
箱根登山鉄道で、6区を観戦してから、JRにうまくつながるかが問題。小田原発、9:17か9:22発の東海道線に乗らないと、7区の追っかけ観戦は難しい。場合によっては、諦めて7区をパスする必要もありそうだ。反対に6区をパスして、7区から追っかけを始めるなら、国府津・二宮・大磯のいずれかで、じっくり観戦出来る。ただこの辺りではトップと最下位のタイム差が15分前後開き始めるので、全選手を応援するかどうかは思案のしどころだ。トップ通過が国府津で9:26頃、二宮で9:35〜40頃、大磯が9:57頃。小田原9:17発で国府津着9:23、二宮は国府津乗換えで9:32着、大磯は9:37着。

【8区】
8区は、やはり往路と同じ藤沢が最適。ポイントは往路と同じ藤沢橋・南仲通・藤沢駅北口入口の3つ。藤沢橋通過が10:50から11:10頃まで。

【9区】
 観戦ポイントの横浜駅東口と新子安は往路と同じ。保土ヶ谷も良い。ただ、復路の横浜駅東口は往路の朝と違って、11:56から12:20頃の昼頃の通過で、正月3日の買い物客もあって物凄い人出になる。仲木戸・神奈川新町(特急停車)・子安・新子安・生麦・花月園前など京急沿線の方が、混雑がひどくなく観戦しやすい。

【10区】
 9区で余裕をもっていれば、京急蒲田前で10区の先頭だけでも見ることも出来るが、ゴールまで行くなら、余り長くは見て居られない。
日本橋経由コースになり、時間的に少し余裕が出来たので、別の選択肢として、品川駅前で応援してから、京浜東北利用で、ギリギリで東京駅まで駆けつけることも出来る。優勝チームのゴールシーンを見たいのなら、大手町の混雑を考えて、かなり早目に到着しておいた方が良いだろう。
10区の選手を出来るだけ沢山応援したいなら、蒲田・品川は諦めて、大手町ゴールに絞るか、あるいは蒲田・品川・田町駅前などに決めた方が良い。
選手の蒲田通過は12:45、品川13:08、大手町ゴール13:29頃。

【中継所タスキ渡し編】

【1区スタート・10区ゴール】大手町
 これは、【全区間チャレンジ】と同じ。

【鶴見中継所・1・2区・9・10区】
鶴見で1区から花の2区へのタスキ渡しを見たいなら、京急品川から快速特急で蒲田か川崎まで行き、普通に乗換え京急鶴見市場下車、徒歩3分。
品川や京急蒲田で選手を見てからではちょっときついので、大手町から直行が安心。
鶴見市場から横浜へ向かうには、普通電車で15〜20分、2区での走路観戦は無理で3区以降に行かないといけない。
復路も、横浜から京急に乗り、鶴見市場で降りるが、普通電車のみで多少時間がかかる。ここからゴールの大手町に向かうには、京急川崎で快速特急に乗換えると速い。

【戸塚中継所・2・3区・8・9区】
戸塚中継所は、横浜新道の南端の高台にあり、戸塚駅からバスで坂を上る必要がある。JR戸塚駅西口下車、徒歩5分(西口旭町商店街を抜けてケンタッキーの角を右折)の戸塚バスセンター1番線から神奈川中央交通バスのドリームランド・ハイツ・藤沢駅行に乗車。バスの本数は7〜3分毎と多い。消防署前・日立入口・大坂下・大坂台と続き、約7分で5つ目のバス停大坂上へ。大坂上で下車、国道1号線を横切って坂を上り2分で往路なら古谷商事前、復路ならフォード前の中継所へ。駅へ戻るには下り坂なので、渋滞しているようなら歩いても良い、戸塚駅まで徒歩25分。

【平塚中継所・3・4区・7・8区】
平塚中継所は、平塚市にあるものの、実際は大磯町の東のはずれ。JR大磯駅から中継所の花水川橋手前の唐ケ原まで約1700mあり、徒歩25分はかかる。大磯駅から平塚駅南口へ行くバスもあるが1時間に1本しかなく、歩くしかない。健脚を誇る人でも大変だろう。ここを観戦ルートに入れると前後1時間以上かかることになり、余り勧められない。

【小田原中継所4・5区・6・7区】
小田原中継所は、箱根登山鉄道風祭駅下車2分、有名な蒲鉾の鈴広前、分かり易い場所だけに混雑は相当なもの。

【箱根芦ノ湖・ゴール】
箱根のゴール地点は芦ノ湖畔。
ゴールの箱根町行のバスは小田原駅から箱根登山バスと伊豆箱根バスの2社から出ているが、箱根湯本まで電車で行って、湯本からバスに乗った方が本数も多いし(箱根登山バスから湯本始発があり10分毎になる)、小田原市内の渋滞を避けられ確実。湯本から箱根町まで標準で35〜45分。小涌谷まで電車で行って、バスが動いているようならバスで芦ノ湖を目指すことも出来る。小田原市内から山にかけては、選手が通過する30分以上前に交通規制が始まるようなので、箱根には早めに登った方が良い。
芦ノ湖では、ゴール地点の駐車場にNTVが大スクリーンを設置しているのでTV中継で、山登りの熱戦が見れる。
1月3日復路のスタートは8:00、氷点下は当たり前の寒さだ。ここでスタートを見て移動する場合、選手が通った後のバスに乗るしかない。箱根登山バスが8:20発、伊豆箱根のバスが8:45発。渋滞も予想され、かなり遅れる可能性が高い。湯本で降りて電車に乗換えた方が小田原市内の渋滞を回避出来る。ちなみにタクシーで箱根新道かターンパイク経由(有料料金700円)で降りることも選択肢の一つ。タクシー料金は6000円位のはず。

中継所タスキ渡し6ヵ所全部を見るのはまず不可能なので、考えられるモデルコースは次の3とおりだろう。(復路はその逆のコース。)全区間チャレンジの一部と中継所タスキ渡しの一部を組み合わせても良い。
@大手町−鶴見−戸塚−小田原
A大手町−鶴見−戸塚−芦ノ湖
B大手町−鶴見−平塚

【必需品】
・時刻表(MYLINE東京時刻表)・地図
・携帯ラジオ(出来ればTVが聞こえるやつ)または携帯テレビ
(日本テレビでは携帯用に箱根駅伝のデータを流しているので、携帯で選手の動向を確認する方法もある。)
・公式プログラムあるいはメンバー表(新聞・Web)
・通過時刻予想表(公式プログラムかNTVのWeb)
・JRのSUICAかIOカード、京急・箱根登山のパスネットは必携。いちいち切符を買う手間が省けるし料金を気にしなくて良い。JRは全区間で、4000円分、パスネットは2000円分を用意しておけば安心だ。パスネットが平成15年3月から箱根登山鉄道小田原〜箱根湯本間の各駅にも導入されているが、風祭駅は自動改札機未設置のため、窓口対応で利用可。なお、大平台・宮ノ下・小涌谷に行くならパスネットを使わず、キップを買った方が良い。

【その他】
・神大駅伝ホームページに「追っかけガイド」をアップしているので参考になる。

・追っかけしていて、選手の写真を撮る場合、観客の小旗に邪魔され、意外に選手の姿が映らないことがある。しっかり撮りたいなら、周囲の人に「大事な写真ですから」と言っておくと良い。また足元からローアングルで撮る方法もある。

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